![]() フェノール酸を含むアブラヤシ葉からの抽出物
专利摘要:
アブラヤシ葉からの抽出物を含む組成物であって、抽出物が(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むことを特徴とする組成物、ならびに前記抽出物を作製する方法であって、(a)乾燥または生のアブラヤシ葉を溶媒で抽出するステップと、(b)(a)で得られた抽出物を濾過するステップと、(c)(b)からの濾過抽出物を、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、およびフェノール酸を含む画分を選択的に吸着するクロマトグラフィー媒体と接触させるステップと、(d)溶媒を使用して前記画分をクロマトグラフィー媒体から溶出するステップと、(e)ステップ(d)で得られた溶出画分を乾燥させるステップとを含む方法。また、哺乳動物および家禽において酸化ストレスを低減または予防するための該組成物の使用も請求している。 公开号:JP2011514347A 申请号:JP2010549595 申请日:2009-02-12 公开日:2011-05-06 发明作者:ハーリド;モハド.ファイルーブ;ヤスミン アブドゥル;シャリフ、シャルハルフィザ;スライスンガム、サンゲーサ;アスマ ハムバリ、シティ;リン ファング、ニー;クアン リム、チャイ 申请人:ノバ ラボラトリーズ エスディーエヌ ビーエイチディー; IPC主号:A61K36-18
专利说明:
[0001] 本発明は、ヒトおよび下等動物における酸化ストレスの低減または予防のための治療活性を有する、アブラヤシ葉からの抽出物に関する。詳細には、本発明は、前記治療活性を有する、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された抽出物の画分に関する。] [0002] 発明の背景 アブラヤシ(Elaeis)には、ヤシ科Arecaceaeの2種が含まれる。ギニアアブラヤシElaeis guineensisは西アフリカ原産であり、アメリカアブラヤシElaeis oleiferaは熱帯の中米および南米の原産である。ギニアアブラヤシは、油を産生するその果実を目的としてマレーシアおよびインドネシアでも広く栽培されている。] [0003] アブラヤシの成木は、幹が1本であり、20メートルの高さまで生育する。葉(リーフまたはフロンド)は、羽状であり、3〜5メートルの長さまで生育することができる。若木には、1年に約30枚の葉が形成される。花は房として形成され、個々の花はそれぞれ3枚の萼片および3枚の花弁を有する。] [0004] 果実は、赤みがかっていて、それぞれ10〜40キログラムの重量となり得る大きな果房の中で生育する。果実は、果皮と呼ばれる油性で多肉質の外層を含み、パーム核と呼ばれる1個の種子を有する。油は、果皮およびパーム核の双方から抽出される。] [0005] アブラヤシは、食用油の生産に主に使用されるその果実を主な目的として栽培されている。アブラヤシ果実から抽出されるパーム油には、カロチン、トコフェロール、およびトコトリエノールも含まれる。アブラヤシ葉から得られる抽出物の有益な作用についての研究が幾つか行われてきた。] [0006] Abeywardena Mら(Asia Pac.J.Clin.Nutr.,11:S467〜S472)は、アブラヤシ(ギニアアブラヤシ)の葉から得られるポリフェノール濃縮抽出物を開示している。前記抽出物は、内皮依存的な機序を通して脈管の弛緩を促進させるために使用できる。(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、没食子酸、およびプロトカテク酸が存在することについては、研究も開示もされていなかった。この抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについては、研究も開示もされていなかった。] [0007] Suhaila Mohamedら(WHAT Medicine III Proceedings,2007,PP145〜148)は、ポリフェノールの豊富なアブラヤシ葉(ギニアアブラヤシ)抽出物の抗高コレステロール血症作用および抗高血圧作用を開示している。しかし、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、没食子酸、およびプロトカテク酸が存在することについては、研究も開示もされていなかった。この抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについては、研究も開示もされていなかった。] [0008] Nagendran Balasundramら(Asia Pac.J.Clin.Nutr.2005;4(4):319〜324)は、アブラヤシ果実から単離される、フェノールの豊富な画分を開示している。この抽出物は、生理活性の特性、具体的には、抗酸化作用を示す。しかし、アブラヤシ葉由来の抽出物の化学組成については、研究も開示もされていなかった。アブラヤシ葉由来の抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについても、研究も開示もされていなかった。] [0009] Tan Y.A.ら(The Royal Society of Chemistry 2001;548〜551)は、アブラヤシの中果皮および核から得られるパーム油の中にフェノール化合物が存在することを開示しているが、これはアブラヤシ果実由来のものである。こうしたフェノール化合物としては、没食子酸、クロロゲン酸、プロトカテク酸、ゲンチシン酸、クマル酸、フェルラ酸、およびカフェー酸、ならびにカテキン、ヘスペリジン、ナリルチン、および4−ヒドロキシベンゾエートが挙げられる。しかし、アブラヤシ葉由来の抽出物の化学組成については、研究も開示もされていなかった。アブラヤシ葉由来の抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについても、研究も開示もされていなかった。] [0010] Run−Cang Sunら(J.Agric.Food Chem.,49(11),5122〜5129,2001)は、アブラヤシ葉繊維中のヒドロキシケイ皮酸を定量する新しい方法を開示している。しかし、(−)−カテキンガレートが存在することについては、研究も開示もされていなかった。この抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについては、研究も開示もされていなかった。] [0011] Yew−Ai Tanら(European Journal of Lipid Sciences and Technology,第109巻,第4号,380〜393ページ,2007)は、パーム油の粉砕および精製の副産物に由来する、ステロール、ビタミンE、カロチノイド、リン脂質、スクアレン、およびフェノール類等の植物化学物質が存在することを開示しているが、これはアブラヤシ果実由来のものである。しかし、アブラヤシ葉由来の抽出物の化学組成については、研究も開示もされていなかった。アブラヤシ葉由来の抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについても、研究も開示もされていなかった。] [0012] Kinnoudo Celestin(WO2007129136)は、抗マラリア特性を有するギニアアブラヤシ(アブラヤシ)葉の抽出物を開示している。これらの抽出物の化学成分は特徴付けられていない。アブラヤシ葉から得られる抽出物中に(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、没食子酸、およびプロトカテク酸が存在することについては、研究も開示もされていなかった。これらの抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについても、研究も開示もされていなかった。] [0013] 酸化ストレス フリーラジカルまたは結合した反応性ラジカルは、反応性が高く、それ故に破壊的分子であり、過去数十年間で、ヒトの健康および疾患に対するその重要性が次第に認められるようになってきた。アテローム性動脈硬化症、癌、および老化を含む、ヒトの一般疾患および致命疾患の多くが、ラジカルに基づいた病理学的反応を損傷の根底にある機序として有している。] [0014] ラジカル、またはフリーラジカルは、一般に、1個または複数の不対電子をその外軌道殻に有する分子として知られる。結合したラジカルを有する多くの分子種は、一酸化物または他の酸素含有化合物であり、一般に活性酸素種(ROS)と称される。これらの極めて不安定な分子は、隣接した分子と急激に反応する傾向があり、それらの外軌道電子(単数または複数)を供与または求引し、さらには共有する。この反応は、隣接した標的分子を、時には著しく、有益な形で変化させるだけでなく、損傷させることもあり、あるいは不対電子が標的に(即ちフリーラジカルのように)移動して別の望ましくないROSを発生し、次いで、これが新しい標的と正にまたは有害に反応を続けることもある。実際に、ROSの反応性が高いのは、こうした分子連鎖反応を生じることによるところが大きく、その効果を効果的に何倍も増幅している。] [0015] 全ての好気性生物は、エネルギーを生産するために酸素を利用する。しかし、酸素を利用することの利点には、酸化のプロセスが好気性生物に損傷を与えることもあり得るというリスクが伴われることが多く示されている。様々な活性酸素代謝産物が、こうした酸化プロセスに関与すると同時に、様々なクラスの生物物質を攻撃する。ほぼ全てのクラスの化合物が、このような酸素化合物による酸化損傷を受ける。例えば、核酸、タンパク質および遊離アミノ酸、脂質、ならびに炭化水素化合物は、酸素毒性により影響を受ける。ヒトの生体には、その酸化プロセスと抗酸化プロセスとの平衡をとるために、極めて精巧で広範な、それ故に明らかに非常に重要なシステムがある(H.Sies,Oxidative Stress,2〜4ページ,1985を参照されたい)。しかし、自然に存在する抗酸化プールは活性酸素種(ROS)の生成の増加に対抗することができず、こうした場合に、いわゆる「酸化ストレス」が生じる。] [0016] この平衡が酸化プロセスの方へシフトするのには、以下の2つの原因があり得る: i.活性酸素代謝産物の生成を原因とする、抗酸化システムの過負荷、および/または ii.抗酸化システムの不足。] [0017] これらの結果は、「酸化ストレス」という表現に要約される。このような平衡のシフトは、多くの様々な疾患、とくに、肝炎等の炎症性疾患、癲癇またはパーキンソン病等の中枢神経系の疾患、喘息等の肺器官の疾患、乾癬、抗癌剤、パラコート等の化学薬品の副作用、および放射線の副作用、ならびに心筋梗塞等の冠動脈循環の疾患によって生じ得ることが現在知られている。] [0018] いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、酸化ストレスは、ヒトおよび動物における様々な疾患および損傷状態の一因として関連付けられてきている。これは、酸化ストレスがこれらの疾患の原因であることを意味するわけではないが、多くの研究によって確認されているように、酸化ストレスが既に病気の生物の細胞に更なる損傷を与えて前記疾患の進行に負の影響を及ぼし得ることを証明している。] [0019] 現在、一連の説得力のある科学的証拠によれば、ヒトおよび動物における多くの機能障害および疾患が酸化ストレスと関連していることが示唆されている。 こうした機能障害および疾患には、以下のものが挙げられる。 老化:通常の進度より速い通常の老化プロセス。 心疾患および心血管疾患:アテローム性動脈硬化症、アドリアマイシン心毒性。 腎臓:自己免疫性腎炎症候群、重金属腎毒性。 日射:皮膚のしわおよび色素沈着。 眼:白内障発生、変性性網膜損傷、黄斑変性。 肺:肺癌(タバコの煙)、気腫、酸化性汚染物質(O3、NO2)、気管支肺異形成、アスベスト発癌性。 神経系障害:パーキンソン病、神経性セロイドリポフスチン沈着症、アルツハイマー病、筋ジストロフィー症、多発性硬化症。 鉄過剰:特発性ヘモクロマトーシス、食事過剰、サラセミア。 炎症性免疫損傷:糸球体腎炎、自己免疫疾患、関節リウマチ。 肝臓:アルコール、ハロゲン化炭化水素、およびパラセタモールにより誘発される肝臓損傷。] [0020] 抗酸化剤は、ROSおよびフリーラジカルが様々な生物分子に損傷を与える前に、これらを捕捉することができる、または酸化損傷が広がるのを防ぐことができるので、即ち、脂質過酸化のラジカル連鎖反応を妨げることにより、防護することができる。体内でのラジカルの反応性、および最終的に病的状態に至る身体上の負担は、酸化ストレスとして知られている。] [0021] 上記の疾患における酸化ストレスを排除する能力を有すると考えられている抗酸化剤(ラジカル捕捉剤)の有効性は昔から研究されており、ラジカルを排除する能力を示す抗炎症剤が開発されてきた。したがって、抗酸化作用を有する物質は酸化ストレスを低減するのに有用であることが明らかであると言える。] [0022] ビタミンCおよびビタミンEのようなビタミンは、いずれも食物中に見出され、補助食品としても入手可能であり、身体が酸化ストレスの作用を低減するのに寄与する。しかし、フリーラジカルおよびROSに対してより強力に戦うのは、抗酸化剤と呼ばれる天然に産生される化学物質による身体自体の自己防衛システムである。これらの抗酸化剤は、フリーラジカルもしくはROSに電子を与え、またはそれらの発生を妨げることにより、フリーラジカルおよびROS上の結合ラジカルの伝播を終結させる作用をする。 身体の抗酸化防衛システムは、3種類の重要な天然の抗酸化剤、即ち、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)を含む。行われた研究により、これらが触媒する反応は代謝的に連続しており、最初にSODで始まり、次いで、CATおよびGPXが作用するので、これらの抗酸化剤は相乗効果で働き得ることが示されている。] [0023] SOD、CAT、およびGPXの存在にもかかわらず、身体の抗酸化防衛システムは絶えず酸化ストレスを受けている。また、SOD、CAT、およびGPXを産生するその能力は老化プロセスによって損なわれ、炎症、微生物またはウイルスによる感染症、癌または神経障害の進行、および酸化ストレスによって引き起こされてまたは悪化して生じる他の病的状態によって更に損なわれ得る。] [0024] 最近、以下の3つの主要な原因(Dastmalchi,Dorman,Kosar,およびHiltunen,2007)により、天然の抗酸化剤の探索に対する関心が増してきている: (i)多数の臨床研究および疫学研究により、果菜類の摂取は、癌、心血管障害、および糖尿病等の慢性疾患が発現するリスクの低下に関連していることが示されている; (ii)食物および飲料中の合成抗酸化剤を慢性摂取することによる潜在的な有害作用に関する安全上の考察;ならびに (iii)天然および食物由来の抗酸化剤は合成の類似体よりも安全であるという一般認識。この結果、天然の抗酸化剤の供給源としての薬用植物に対する関心が増してきている。] [0025] アブラヤシ葉の抽出物から得られ、抗酸化活性および抗酸化ストレス活性の役割を果たしている化合物は特徴付けられていない。] [0026] 本発明は、哺乳動物および家禽において酸化ストレスを低減するのに有用な、アブラヤシ葉の新規抽出物を提供しようとするものである。(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された前記抽出物は抗酸化ストレス活性を有する。さらに、アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸の併用作用はこれまで報告されていない。] [0027] 要するところ、アブラヤシ葉から得られる抽出物のポリフェノール濃縮画分が開示され、前記画分は、抗高コレステロール血症剤および抗高血圧剤として使用できるが、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むアブラヤシ葉由来の画分は、研究も開示もされていなかった。前記抽出物を抗酸化ストレス剤として使用することについては、研究も開示もされていなかった。] [0028] 発明の概要 したがって、本発明の主な目的は、哺乳動物および家禽における治療活性を有する、アブラヤシ葉からの組成物を提供することである。] [0029] 本発明の他の目的は、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含む組成物を提供することである。] [0030] 本発明の更に他の目的は、アブラヤシ葉から抽出物を調製する方法を提供することである。] [0031] 本発明の更に他の目的は、該新規抽出物と少なくとも1種類の薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を提供することである。] [0032] 本発明の更に他の目的は、該新規抽出物、安定剤、担体、添加剤、増量剤、および他の適切な物質を含む医薬組成物を提供することである。] [0033] 本発明の更なる目的は、哺乳動物および家禽において酸化ストレスの低減または予防に使用される、該新規抽出物を薬学的担体と混合し、組み合わせて含む組成物を提供することである。] [0034] 本発明のこれらの目的および他の目的は、を用いる方法を提供することにより達成される: アブラヤシ葉からの抽出物を含む組成物であって、前記抽出物が(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むことを特徴とする前記組成物と、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含む、アブラヤシ葉の抽出物を作製する方法であって、 a)水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくはこれら前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒と混合し、25℃〜95℃の範囲の温度で0.5〜96時間加熱することにより、乾燥または生のアブラヤシ葉からハーブ液を抽出すること、 b)(a)で得られたハーブ抽出液を濾過すること、 c)(b)で得られた濾過ハーブ抽出液を、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が存在する画分を選択的に吸着する、カラム吸着媒体または他の任意の吸着媒体であってよい吸着クロマトグラフィー媒体と接触させること、 d)(c)で得られた前記画分を、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくは前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒を用いて、吸着クロマトグラフィー媒体から溶出すること、 e)(d)で得られた濃縮ハーブ抽出液を、噴霧乾燥機、真空オーブン、通常のオーブン、マイクロ波オーブン、または凍結乾燥機を使用して乾燥させること。] [0035] 本発明の更に他の目的は、前記組成物を哺乳動物および家禽において酸化ストレスを低減または予防するために使用することであり、この使用は、かかる処置を必要とする対象に有効量の該組成物を投与することを含む。] 図面の簡単な説明 [0036] アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートのHPLC同定を示す図である。 アブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸のTLC同定を示す図である。 アブラヤシ葉の抽出物中の没食子酸のHPLC同定を示す図である。 アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートのHPLC定量を示す図である。 アブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸のHPLC定量を示す図である。 アブラヤシ葉の抽出物中の全フェノール酸のUV定量を示す図である。] [0037] 発明の詳細な説明 本発明は、アブラヤシ葉からの抽出物を含む組成物であって、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含む前記抽出物を特徴とする組成物に関する。] [0038] 本発明の前記アブラヤシ葉としては、ギニアアブラヤシまたはアメリカアブラヤシからなるアブラヤシ属植物の群から選択される植物の葉が挙げられる。] [0039] 本発明の新規組成物は、(−)−カテキンガレートを約0.1重量%〜約95重量%、フェルラ酸を約0.1重量%〜約95重量%、没食子酸およびプロトカテク酸等の全フェノール酸を約0.1重量%〜約95重量%含む。] [0040] 本発明の好ましい一態様では、組成物が、(−)−カテキンガレートを約0.5重量%〜約10重量%、フェルラ酸を約1重量%〜約5重量%、没食子酸およびプロトカテク酸等の全フェノール酸を約5重量%〜約30重量%含む。] [0041] 本発明の最も好ましい態様では、組成物が、(−)−カテキンガレートを約0.5重量%、フェルラ酸を約1重量%、没食子酸およびプロトカテク酸等の全フェノール酸を約20重量%含む。] [0042] 本発明は更に、このようなアブラヤシ葉の抽出物を作製する方法に関し、この方法は、 a)水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくはこれら前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒と混合して、25℃〜95℃の範囲の温度で0.5〜96時間加熱することにより、乾燥または生のアブラヤシ葉からハーブ液を抽出するステップ、 b)(a)で得られたハーブ抽出液を濾過するステップ、 c)(b)で得られた濾過ハーブ抽出液を、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が存在する画分を選択的に吸着する、カラム吸着媒体または他の任意の吸着媒体であってよい吸着クロマトグラフィー媒体と接触させるステップ、 d)(c)で得られた前記画分を、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくはこれら前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒を用いて、約10℃〜約80℃の間の温度、約0.1bar〜約10barの間の圧力で、吸着クロマトグラフィー媒体から溶出して、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された抽出物を得るステップ、ならびに e)(d)で得られた濃縮ハーブ抽出液を、噴霧乾燥機、真空オーブン、通常のオーブン、凍結乾燥機、または他の任意の乾燥機を使用して乾燥させるステップ を含む。] [0043] 本発明の好ましい一態様では、抽出器を使用して、アブラヤシ葉を、葉1(乾量基準)に対し、約5〜約50、好ましくは約10〜約30の溶媒で抽出し、このとき、溶媒をアブラヤシ葉と一定時間、好ましくは約1時間〜96時間、より好ましくは8時間〜24時間混合する。溶媒の温度は、好ましくは約25℃〜約95℃、より好ましくは約50℃〜60℃に維持する。] [0044] 本発明の更なる一態様では、抽出用に好ましい溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、またはこれら前記溶媒の混合物が挙げられ、より好ましくは、水、エタノール、または水とエタノールとの混合物が、最も好ましくは、30重量%の水と70重量%のエタノールとの混合物が挙げられる。] [0045] 本発明の好ましい一態様では、吸着クロマトグラフィー媒体として、スチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、およびポリアミド樹脂が挙げられる。こうした樹脂の例としては、以下のものが挙げられる:米国、フィラデルフィア、Rohm&Haas社の製品である、Amberlite XAD−1、Amberlite XAD−2、Amberlite XAD−4、Amberlite XAD−7、Amberlite XAD−8、Amberlite XAD−11、Amberlite XAD−12、Amberlite XAD−1180、Amberlite 7HP、Amberlite 761、およびDuolite S861;日本、東京、三菱化成工業株式会社の製品である、Diaion HP−10、Diaion HP−20、Diaion HP−21、Diaion HP−30、Diaion HP−40、およびDiaion HP−50;中国、天津、天津南かい和成科技有限会社の製品である、AB−8架橋ポリスチレンおよびH103架橋ポリスチレン樹脂。] [0046] 本発明のより好ましい一態様では、樹脂は、AB−8架橋ポリスチレン(中国、天津、天津南かい和成科技有限会社の製品)、Amberlite XAD 1180、Amberlite 7HP、およびAmberlite 761(米国、フィラデルフィア、Rohm&Haas社の製品)等の商品名のもとで製造されるスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂である。] [0047] 本発明の最も好ましい態様では、樹脂は、AB−8架橋ポリスチレン(中国、天津、天津南かい和成科技有限会社の製品)の商品名のもとで製造されるスチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂である。] [0048] 吸着クロマトグラフィー媒体から濃縮画分を溶出するための溶出溶媒は、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくは前記溶媒の混合物、または当業者に知られている他の任意の極性溶媒であってよい。好ましい溶媒は水とエタノールとの混合物であり、30%エタノール水が最も好ましい。] [0049] 本発明の好ましい一態様では、乾燥方法として、噴霧乾燥機、真空オーブン、または通常のオーブンの使用が挙げられ、最も好ましくは噴霧乾燥機の使用が挙げられる。] [0050] 本発明のアブラヤシ葉の抽出物を作製する装置; 本発明のギニアアブラヤシおよびアメリカアブラヤシの抽出物を作製するシステムは、ハーブ抽出タンク、吸着クロマトグラフィーカラム、および乾燥機を含む。] [0051] 本発明の一側面によれば、ハーブ抽出タンクは、蒸気ジャケットと、タンクの内容物を撹拌するスピード撹拌機とで構成される。蒸気ジャケットに蒸気が通って、タンクの内容物を加熱する。 アブラヤシ葉を、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくは前記溶媒の混合物、または当業者に知られている他の任意の極性溶媒と混合して、ハーブ抽出タンク中、25℃〜95℃の好ましい範囲の温度で1〜96時間加熱する。この加熱プロセスによりハーブ抽出液が生成し、次いで、これを濾過して濾液を回収する。] [0052] 本発明の一側面によれば、吸着クロマトグラフィーカラムは、好ましくはポリスチレン樹脂を含む、吸着クロマトグラフィー樹脂が充填される。濾過したハーブ抽出液を吸着クロマトグラフィーカラムに通し、それにより、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された画分が前記樹脂の表面に吸着される。次いで、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくは前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒で吸着クロマトグラフィーカラムを溶出することにより、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含んだ前記濃縮画分を溶出する。最後に、得られたハーブ液の濃縮画分を、噴霧乾燥機、真空オーブン、通常のオーブン、マイクロ波オーブン、凍結乾燥機、または当業者に明らかな他の乾燥機を使用することによって乾燥させる。] [0053] 本発明のアブラヤシ葉の抽出物中に(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、および没食子酸が存在することを同定する定性試験。 HPLCを用いることにより、アブラヤシ葉の抽出物中に(−)−カテキンガレートが存在することを同定する方法: a)1mgの(−)−カテキンガレート参照標準を1mlの0.1%リン酸に溶解することにより、(−)−カテキンガレートの参照標準溶液を調製する; b)200mgの本発明の抽出物を10mlのエタノールに溶解することにより、試験溶液を調製する; c)これら2種類の溶液を、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入する: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:SinochromODS−BPカラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:(i)2%(v/v)酢酸と(ii)アセトニトリルとの混合物 混合溶媒は、溶媒(i)92%および溶媒(ii)8%から始めて、50分間の直線勾配で溶媒(ii)を31%まで増加させる。 流速:1.0ml/分 検出:UV 280nm] [0054] 参照標準溶液および試験溶液から得られたクロマトグラムにより、保持時間約28分において、(−)−カテキンガレートに相当する主要なピークが示された。このピークの存在により、本発明の組成物中に(−)−カテキンガレートが存在することが確認された。] [0055] TLC同定を用いることにより、アブラヤシ葉の抽出物中にフェルラ酸が存在することを同定する方法: a)本発明の抽出物をHPLCグレードのメタノールに溶解し、4000rpmで15分間遠心処理してその上清を回収することによって試料を調製する。 b)メタノール/水の混合物(比率7:1)からなる溶媒相を用いて、試料を、既知量のフェルラ酸参照標準と共に並べて、予めコーティングされたシリカゲル60TLCプレート(E−Merck)上に最初にスポットする。 c)このプレートを空気乾燥し、波長254nmの紫外線(UV)灯の下で可視化する。] [0056] 参照標準溶液および試料溶液の双方において、フェルラ酸に相当する薄紫色の主帯域が認められた。この薄紫色の主帯域の存在により、本発明の組成物中にフェルラ酸が存在することが確認された。] [0057] HPLCを用いることにより、アブラヤシ葉の抽出物中に没食子酸が存在することを同定する方法: a)10mgの没食子酸参照標準を10mlのメタノールに溶解することにより、没食子酸の参照標準溶液を調製する; b)200mgの本発明の抽出物を10mlのメタノールに溶解することにより、試験溶液を調製する; c)これら2種類の溶液を、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入する: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:Hypersil BDS C18カラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:メタノール/水/オルトリン酸の混合物(20:79.9:0.1) 流速:1.0ml/分 検出:UV 270nm] [0058] 参照標準溶液および試験溶液から得られたクロマトグラムにより、保持時間約6.6分において、没食子酸に相当する主要なピークが示された。このピークの存在により、本発明の組成物中に没食子酸が存在することが確認された。] [0059] HPLCアッセイによる、本発明のアブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートおよびフェルラ酸の定量。 HPLCを用いることにより、アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートの総量を定量する方法: a)1mgの(−)−カテキンガレート参照標準を1mlの0.1%リン酸に溶解することにより、(−)−カテキンガレートの参照標準溶液を調製する; b)200mgの本発明の抽出物を10mlのエタノールに溶解することにより、試験溶液を調製する; c)これら2種類の溶液を、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入する: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:SinochromODS−BPカラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:(i)2%(v/v)酢酸と(ii)アセトニトリルとの混合物 混合溶媒は、50分間の直線勾配で、溶媒(i)92%および溶媒(ii)8%から始める。 流速:1.0ml/分 検出:UV 280nm 注入量:20μL] [0060] HPLCデータから、保持時間約28分において、(−)−カテキンガレートのピーク面積が得られた。] [0061] 試験溶液中の(−)−カテキンガレートの量は、(−)−カテキンガレートの参照標準溶液と比較することによって得られる。 以下の式を用いることにより、試験溶液中の(−)−カテキンガレートの含有量を百分率(%)で算出する: 1000Crt/Wrs [式中、 C=有効な標準曲線(mg/ml)から算出される、試験溶液の(−)−カテキンガレートの濃度 W=試験溶液(mg)の調製に必要とされる試料の重量(mg) rt=試験溶液から得られる、(−)−カテキンガレートのピーク面積 rs=参照標準溶液から得られる、(−)−カテキンガレートのピーク面積 である]。] [0062] HPLCを用いることにより、アブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸の総量を定量する方法; a)フェルラ酸参照標準を70%エタノールに溶解することにより、4種類の既知濃度のフェルラ酸参照標準を含むフェルラ酸の参照標準溶液0.15mg/ml、0.20mg/ml、0.25mg/ml、および0.5mg/mlを調製する。 b)10mgの本発明のアブラヤシ葉の抽出物を10mlの70%エタノールに溶解することにより、試験溶液を調製する。 c)これらの溶液について、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入することにより、HPLCアッセイを行った。 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:Hypersil BDS C18カラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:メタノールと0.1%リン酸水溶液との混合物(30:70) 流速:1.0ml/分 検出:UV 325nm 注入量:20μL] [0063] HPLCデータから、保持時間約28.8分において、フェルラ酸のピーク面積が得られた。] [0064] 試験溶液中のフェルラ酸の量は、フェルラ酸の参照標準溶液と比較することによって得られる。 以下の式を用いることにより、試験溶液中のフェルラ酸の含有量を百分率(%)で算出する: 1000Crt/Wrs [式中、 C=有効な標準曲線(mg/ml)から算出される、試験溶液のフェルラ酸の濃度 W=試験溶液(mg)を調製するために用いる試料の重量(mg) rt=試験溶液から得られる、フェルラ酸のピーク面積 rs=参照標準溶液から得られる、フェルラ酸のピーク面積 である]。] [0065] UV分光光度法を用いることによる、本発明のアブラヤシ葉の抽出物における全フェノール酸の定量。 以下のステップを含む、本発明のアブラヤシ葉の抽出物中のフェノール酸の総量を定量する方法: a)10.0mgのプロトカテク酸参照標準を100mlのHPLCグレードのメタノールに溶解することにより、参照標準溶液を調製する。 この溶液10mlを、HPLCグレードのメタノールを用いて1:9の比率で希釈する; b)10mgのアブラヤシ葉の抽出物を10mlの70%エタノールに溶解することにより、試験溶液を調製する。 c)90mgのフェリシアン化カリウムを10mlの精製水に溶解することにより、0.9%フェリシアン化カリウム水溶液を調製する。 d)90mgの塩化鉄(III)を10mlの精製水に溶解することにより、0.9%塩化鉄(III)水溶液を調製する。 e)9mlの0.9%フェリシアン化カリウム水溶液と10mlの0.9%塩化鉄(III)水溶液とを混合することにより、発色試薬を調製する。] [0066] 全ての溶液(標準溶液、試験溶液、およびブランク溶液)を暗室中に5分間放置する。全ての溶液を0.1MのHCL水溶液でメスアップし、ウェルを混合して、暗室中にさらに20分間放置する。ブランク溶液に対する標準溶液および試験溶液の吸光度を679nmで測定する。標準溶液の濃度をx軸、吸光度をy軸として用いて標準較正曲線をプロットする。標準較正曲線から全フェノール酸の濃度を算出する。] [0067] 以下の式を用いることにより、試験溶液中の全フェノール酸の含有量を百分率(%)で算出する: 50,000C/W [式中、 C=有効な標準曲線(mg/ml)から算出される、試験溶液の全フェノール酸の濃度 W=試験溶液(mg)を調製するために用いる試料の重量(mg) である]。] [0068] 本発明は、本発明に従って調製される抽出物を含む治療用組成物を包含し、この組成物は、ヒトまたは下等動物における酸化ストレスの低減または予防に有用である、茶、錠剤、コート錠、舐剤、咀嚼錠、カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、コート粒、散剤、コート粉、液剤、シロップ剤、乳剤、および懸濁剤の形態である。] [0069] さらに、本発明は、有効量、例えば1mg〜800mg、より好ましくは300mg〜500mgの前記抽出物と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を包含する。] [0070] 本発明は、経口、頬側、直腸または経皮投与用に製剤化された、または(いずれも口または鼻を介した)吸入もしくはガス注入による投与に適した形態で製剤化された新規抽出物を含む医薬組成物を提供する。] [0071] 経口投与用の場合、該医薬組成物は、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、デンプンまたはリン酸三カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、またはデンプングリコール酸ナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の薬学的に許容できる添加剤を用いて通常の方法で調製される、例えば、茶、錠剤、コート錠、舐剤、咀嚼錠、カプセル剤、軟ゲルカプセル剤、顆粒剤、コート粒、散剤、液剤、シロップ剤、乳剤、または懸濁剤等の形態をとってよい。錠剤は、当技術分野で周知の方法によってコーティングされていてもよい。] [0072] 経口投与用の液体製剤は、例えば、液剤、シロップ剤、乳剤、もしくは懸濁剤の形態をとってよく、または製剤を、使用前に水もしくはその他の適切なビヒクルとの構成にする乾燥製品として提供してもよい。こうした液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル類、エチルアルコールまたは精留植物油)、および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸)等の薬学的に許容できる添加物を用いて、通常の方法で調製することができる。該製剤はまた、適切なように、緩衝塩、香味剤、着色剤および甘味剤を含有していてもよい。] [0073] 経口投与用の製剤は、本発明の抽出物の放出を制御または延長できるように適切に製剤化することもできる。 頬側投与用の場合、該組成物は、通常の方法で製剤化される錠剤または舐剤の形態をとってよい。] [0074] 本発明の医薬組成物は、経鼻ガス注入および経口吸入による投与用に製剤化することもできる。前記投与用の製剤の種類の例としては、吸入器または注入器で使用するスプレーおよびエアロゾルが挙げられる。外部適用のための経皮製剤は、当業者に知られている任意の適切なクリーム基剤、軟膏基剤またはローション基剤を補助的に用いて生成されていてもよい。] [0075] また、本発明の医薬組成物は、例えば、ココアバターまたは他の油脂のような通常の坐剤基剤を含む、坐剤または停留浣腸薬等の直腸用組成物に製剤化することもできる。] [0076] 本発明の好ましい一態様では、該医薬組成物としては、約1%〜約95%の前記抽出物および約1%〜約95%の薬学的に許容できる担体を含む、カプセル剤、軟カプセル剤、または錠剤が挙げられる。] [0077] 本明細書中で用いる「薬学的に許容できる担体」という用語は、1種または複数の適合可能な固体もしくは液体の充填希釈剤、または当業者に知られている任意の医薬添加剤を意味する。] [0078] 薬学的に許容できる担体としての役割を果たし得る物質の幾つかの例としては、ラクトース、グルコースおよびスクロース等の糖類、コーンスターチおよびジャガイモデンプン等のデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、および微結晶性セルロース等のセルロース誘導体がある。] [0079] ヒト(体重約60kg)に投与するための本発明の組成物の提案用量は、乾燥抽出物の重量で表して0.1mg〜1gであり、例えば、単位用量当たりの有効成分の用量が1mg〜500mgである。単位用量を、例えば1日当たり1〜4回投与することができる。用量は投与の経路によって決まることになる。患者の年齢および体重ならびに処置する状態の重症度によって用量を日常的に変動させる必要があり得ることは理解されよう。用量は投与の経路によっても決まることになる。詳細な用量および投与の経路は、最終的に付き添いの医師または獣医師の判断によることになる。] [0080] 本発明に従って調製される抽出物は、in vitroでの試験モデルにおいて抗酸化作用およびフリーラジカル捕捉作用を示し、in vivoでの試験モデルにおいて抗酸化ストレス作用を示す。] [0081] 本発明の他の一態様によれば、該抽出物は、有効量の該組成物をそうした処置を必要とする対象に投与することにより、哺乳動物および家禽において酸化ストレスを低減または予防するために使用される。] [0082] 本発明に従って作製される組成物の例を以下に記載する。本発明の組成物について行った毒性研究により、該抽出物は、Sprague−Dawleyラットにおいて、アブラヤシ葉の抽出物30g/kg体重の経口用量で非毒性であることが証明された。] [0083] したがって、体重1kg当たりのアブラヤシ葉の抽出物が1日当たり0.03gであるヒトでの経口用量は、適切且つ安全であると考えられる。] [0084] (例1) アブラヤシ葉の抽出物の製造 約50gの乾燥アブラヤシ葉を、約500mLの水/エタノール(体積比3:7)混合物を用いて、約60〜65℃で約60分間抽出した。得られたスラリーを2層のモスリン布に通して濾過し、約502gの粗抽出液を得た。] [0085] 次いで、得られた粗抽出液をカラム吸着クロマトグラフィーにかけた。] [0086] Amberlite XAD 16HP(Rohm&Haas社製)をカラム(内径5.0cm×高さ40cm)内に充填し、カラム量を約780mLにした。カラムを約4〜5カラム量の脱イオン水で洗浄した。上記の抽出ステップからの粗抽出液を、ポンプでカラム内に注入した。塩類、糖類、および他の望ましくない親水性物質を除去するために、カラムを最初に1500mlの脱イオン水で溶出した。] [0087] 次いで、カラムを、1500mlの水/イソプロパノール(体積比3:7)混合物を用いて、25ml/分の一定流速、60℃の温度、0.5〜1barの圧力で溶出して、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された精製溶出液を得た。 得られた溶出液を回転蒸発器中で50mlまでさらに濃縮し、濃縮液を60℃の真空オーブン中で8時間乾燥させた。] [0088] 以下を含有する、2.52gの黄ベージュ色の粉末を得た: (−)−カテキンガレート含有量−1.1%(HPLCアッセイより) フェルラ酸含有量−1.5%(HPLCアッセイより) 全フェノール酸含有量−10.2%(UV分光光度法より)] [0089] (例2) アブラヤシ葉の抽出物の製造 100kgの生アブラヤシ葉を長さ約2cmの小断片に切断して、抽出タンクに移した。1000リットルの水/イソプロピル溶液(体積比3:7)混合物を添加して、60℃まで8時間加熱した。] [0090] 粗抽出液を、孔径10μmのカートリッジフィルターに通して濾過することにより、葉から分離した。濾液を、0.08〜0.09MPaの減圧下、70℃で濃縮し、約200リットルの濃縮抽出液(密度=1.10〜1.20g/cm3)が生成された。] [0091] 得られた濃縮抽出液を、直径15cm、長さ150cmのステンレス鋼カラムを使用して吸着カラムクロマトグラフィーにかけた。カラムを、30〜60メッシュの範囲に及ぶ粒径のポリアミド樹脂で充填した。] [0092] 次いで、カラムを、200リットルの脱イオン水で洗浄した後に、200リットルの水/イソプロピル溶液(体積比3:7)混合物を用いて、約1.5リットル/分の一定流速、約20〜30℃の温度、約0.5〜1barの圧力で溶出して、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が濃縮された精製溶出液を得た。次いで、得られた溶出液を噴霧乾燥機中で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度は約170℃〜約180℃に設定し、出口温度は約100℃〜約105℃に設定した。] [0093] 以下を含有する、12.5kgの黄ベージュ色の粉末を得た: (−)−カテキンガレート含有量−1.15%(HPLCアッセイより) フェルラ酸含有量−1.6%(HPLCアッセイより) 全フェノール酸含有量−10.5%(UV分光光度法より)] [0094] 定性分析および定量分析による、本発明の組成物の特徴付け 本発明の組成物中に(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、および没食子酸が存在することを確認する定性分析は、以下のように、薄層クロマトグラフィー(TLC)法および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって行った。] [0095] (例3) アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートのHPLC同定 1mgの(−)−カテキンガレート参照標準を1mlの0.1%リン酸に溶解して、参照標準溶液を生成した。 並行して、例1で得られた本発明の抽出物の試験溶液を、分析する抽出物200mgを10mlのエタノールに溶解することによって調製した。] [0096] これら2種類の溶液を、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入した: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:SinochromODS−BPカラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:(i)2%(v/v)酢酸と(ii)アセトニトリルとの混合物 混合溶媒は、溶媒(i)92%および溶媒(ii)8%から始めて、50分間の直線勾配で溶媒(ii)31%まで増加させる。 流速:1.0ml/分 検出:UV 280nm] [0097] 参照標準溶液および試験溶液から得られたクロマトグラムにより、保持時間約28分において、(−)−カテキンガレートに相当する主要なピークが示された。このピークの存在により、本発明の組成物中に(−)−カテキンガレートが存在することが確認された(図1に示す)。] 図1 [0098] (例4) アブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸のTLC同定 例1で得られたアブラヤシ葉の抽出粉末をHPLCグレードのメタノールに溶解し、4000rpmで15分間遠心処理してその上清を回収した。メタノール/水(比7:1)混合物からなる溶媒相を用いて、試料を、既知量のフェルラ酸参照標準と共に並べて、予めコーティングされたシリカゲル60TLCプレート(E−Merck)上に最初にスポットした。] [0099] このプレートを空気乾燥し、波長254nmの紫外線(UV)灯の下で可視化した。参照標準溶液および試験溶液の双方において、フェルラ酸に相当する薄紫色の主帯域が認められた(図2に示す)。] 図2 [0100] (例5) アブラヤシ葉の抽出物中の没食子酸のHPLC同定 10mgの没食子酸参照標準を10mlのメタノールに溶解して、参照標準溶液を生成した。 並行して、例1で得られた本発明の抽出物の試験溶液を、分析する抽出物200mgを10mlのメタノールに溶解することによって調製した。] [0101] これら2種類の溶液を、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入した: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:Hypersil BDS C18カラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:メタノール/水/オルトリン酸の混合物(20:79.9:0.1) 流速:1.0ml/分 検出:UV 270nm] [0102] 参照標準溶液および試験溶液から得られたクロマトグラムにより、保持時間約6.6分において、没食子酸に相当する主要なピークが示された。このピークの存在により、本発明の組成物中に没食子酸が存在することが確認された(図3に示す)。] 図3 [0103] 本発明の組成物中に存在する(−)−カテキンガレートおよびフェルラ酸の定量分析は、以下のように、HPLC法によって行った。] [0104] (例6) アブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートのHPLC定量 HPLC法を用いて、例1で得られたアブラヤシ葉の抽出物中の(−)−カテキンガレートの量を決定した。] [0105] 1mgの(−)−カテキンガレート参照標準を1mlの0.1%リン酸に溶解して、参照標準溶液を生成した。 並行して、例1で得られた本発明の抽出物の試験溶液を、分析する抽出物200mgを10mlのエタノールに溶解することにより調製した。] [0106] これらの溶液について、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入することにより、HPLCアッセイを行った: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:SinochromODS−BPカラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:(i)2%(v/v)酢酸と(ii)アセトニトリルとの混合物 混合溶媒は、50分間の直線勾配で、溶媒(i)92%および溶媒(ii)8%から始める。 流速:1.0ml/分 検出:UV 280nm 注入量:20μL] [0107] HPLCデータから、保持時間約28分において、(−)−カテキンガレートのピーク面積が得られた(図4に示す)。] 図4 [0108] 試験溶液中の(−)−カテキンガレートの量は、(−)−カテキンガレートの参照標準溶液と比較することによって得られた。] [0109] 以下の式を用いることにより、試験溶液中の(−)−カテキンガレートの含有量を百分率(%)で算出した: 1000Crt/Wrs [式中、 C=有効な標準曲線(mg/ml)から算出される、試験溶液の(−)−カテキンガレートの濃度 W=試験溶液(mg)を調製するために用いる試料の重量(mg) rt=試験溶液から得られる、(−)−カテキンガレートのピーク面積 rs=参照標準溶液から得られる、(−)−カテキンガレートのピーク面積 である]。 (−)−カテキンガレート含有量−1.1%(HPLCアッセイより) HPLCアッセイにより、例1で得られた組成物中に存在した(−)−カテキンガレートの量は1.1%であったことが示された。] [0110] (例7) アブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸のHPLC定量 HPLC法を用いて、例1で得られたアブラヤシ葉の抽出物中のフェルラ酸の量を決定した。] [0111] フェルラ酸参照標準を70%エタノールに溶解することにより、4種類の既知濃度のフェルラ酸参照標準を含むフェルラ酸の参照標準溶液0.15mg/ml、0.20mg/ml、0.25mg/ml、および0.5mg/mlを調製した。 並行して、例1で得られた本発明の抽出物の試験溶液を、分析する抽出物10mgを10mlの70%エタノールに溶解することにより調製した。] [0112] これらの溶液について、以下の条件で別々にHPLCシステム内に注入することにより、HPLCアッセイを行った: 装置:Perkin Elmerシリーズ200LC カラム:Hypersil BDS C18カラム(250mm×内径4.6mm、粒径5μm) 移動相:メタノールと0.1%リン酸水溶液との混合物(30:70) 流速:1.0ml/分 検出:UV 325nm 注入量:20μL] [0113] HPLCデータから、保持時間約28.8分において、フェルラ酸のピーク面積が得られた(図5に示す)。] 図5 [0114] 試験溶液中のフェルラ酸の量は、フェルラ酸の参照標準溶液と比較することによって得られた。 以下の式を用いることにより、試験溶液中のフェルラ酸の含有量を百分率(%)で算出した: 1000Crt/Wrs [式中、 C=有効な標準曲線(mg/ml)から算出される、試験溶液のフェルラ酸の濃度 W=試験溶液(mg)を調製するために用いる試料の重量(mg) rt=試験溶液から得られる、フェルラ酸のピーク面積 rs=参照標準溶液から得られる、フェルラ酸のピーク面積 である]。] [0115] フェルラ酸含有量− 1.5%(HPLCアッセイより) HPLCアッセイにより、例1で得られた組成物中に存在したフェルラ酸の量は1.5%であったことが示された。] [0116] (例8) アブラヤシ葉の抽出物中の全フェノール酸のUV定量 UV分光光度法を用いて、例1で得られたアブラヤシ葉の抽出物中の全フェノール酸の量を決定した。] [0117] 10mgのプロトカテク酸参照標準を100mlのHPLCグレードのメタノールに溶解して、参照標準溶液を生成した。この溶液10mlを、HPLCグレードのメタノールを用いて1:9の比率で希釈した。] [0118] 異なる量の標準溶液および(ブランク溶液として)1mlのメタノールを、それぞれ別個の25mlのメスフラスコにピペットで注入した。各フラスコに、5.0mlの無水エタノール、2mlの3%ドデシル硫酸ナトリウム溶液、および1.0mlの発色試薬[0.9%フェリシアン化カリウム溶液:0.9%塩化鉄(III)溶液(0.9:1)]を添加した。 標準溶液およびブランク溶液を暗室中に5分間放置した。各フラスコを、0.1MのHClでメスアップして十分に混合した。これらの溶液を暗室中に20分間放置した。 ブランク溶液に対する標準溶液の吸光度を697nmで測定した。標準溶液の濃度をx軸、吸光度をy軸として用いて標準較正曲線をプロットした。 アッセイは、UV分光光度法に従って、該組成物を10mlの70%エタノール水で溶解し、その溶液0.05mlをピペットでフラスコ内に添加することによって行った。試験溶液は、上記と同じ方法を用いて調製した。] [0119] アブラヤシ葉の抽出物中の全フェノール酸の吸光度は、679nmの波長において得られた(図6に示す)。] 図6 [0120] 標準較正曲線により、標準較正曲線からの全フェノール酸の濃度を算出した。] [0121] 以下の式を用いることにより、試験溶液中の全フェノール酸の含有量を百分率(%)で算出した: 500,000C/W [式中、 C=有効な標準曲線(mg/mL)から算出される、試験溶液の全フェノール酸の濃度 W=試験溶液(mg)を調製するために用いる試料の重量(mg) である]。] [0122] UV分光光度法により、例1で得られた組成物中に存在した全フェノール酸の量は10.2%であったことが示された。] [0123] (例9) in vitroおよびin vivoのモデルによる、本発明の組成物の抗酸化活性の決定 本発明の組成物の抗酸化活性は、以下のように、in vitroおよびin vivoのモデルを用いることによって決定した: 本発明の組成物のDPPHフリーラジカル捕捉活性 例1で得られた本発明の組成物のDPPHフリーラジカル捕捉活性は、1,1−ジフェニル−2−ピクリル−ヒドラジル(DPPH)比色法を用いて517nmで検出することにより決定した。紫色から黄色へのDPPHの色の変化による吸光度の減少によって活性を評価した。] [0124] 上記の例1で得られた試料粉末10mgを5mlの無水エタノールに試料溶液として溶解し、且つエタノール中の0.2mmol/LのDPPH溶液を調製した。1mlのDPPH溶液を4mlの試料溶液に添加した。次いで、この試料溶液を暗室中に30分間放置した。試料溶液の吸光度を517nmで測定した。反応混合物の吸光度が低いほど、より高いフリーラジカル捕捉活性が示された。対照として、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)を使用した。使用する試料濃度が高いほど、フリーラジカル除去活性は強かった。得られた結果より、本発明の組成物は、用いられたBHAより強い抗酸化活性を示すことが示された。] [0125] (例10) 本組成の組成物の還元力 例1で得られた本発明の組成物の還元力を、フェリシアン化カリウム還元法によって決定した。上記の例1で得られた試料粉末10mgを、10mlの無水エタノールに試料溶液として溶解した。1mlの試料溶液を1mlの蒸留水に溶解し、2.5mlの0.2mol/Lリン酸緩衝液および2.5mlの1%フェリシアン化カリウム水溶液と混合した。この混合物を50℃で20分間インキュベートした。次いで、2.5mlの10%トリクロロ酢酸水溶液を各試料溶液に添加した。試料溶液を3000rpmで10分間遠心処理した。2.5mlの上清を、2.5mlの蒸留水および0.5mlの0.1%塩化鉄(III)水溶液と混合した。溶液(フェリシアン化カリウム溶液)の黄色は、該組成物の還元力によって淡黄色に変化した。組成物中に還元剤(抗酸化剤)が存在することにより、Fe3+(フェリシアニド錯体)が二価鉄の形態に還元されたのである。したがって、Fe2+錯体は、700nmでのPerlのプルシアンブルーの生成によって測定することができる(700nmで吸光度を測定した)。吸光度の増加は還元力の増加を示し、対照としてはブチルヒドロキシアニソール(BHA)を使用した。結果より、該組成物がBHAのような還元力活性を示すことが示された。] [0126] (例11) アブラヤシ葉の抽出物によるin vivoでの脂質過酸化の還元 アブラヤシ葉の抽出物の抗酸化ストレス活性は、マロンジアルデヒド(MDA)試験におけるアブラヤシ葉の抽出物の脂質過酸化阻害特性を決定することによって示すことができる。生物におけるフリーラジカルによる酸化ストレスの最も破壊的な作用の1つは脂質の酸化であり、その結果マロンジアルデヒド(MDA)が生成される。脂質過酸化のレベルは、脂質過酸化を誘導した動物の血清中のチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)のレベルを測定することによって評価できる。MDAはチオバルビツール酸と反応して、熱量測定法で測定可能な有色物質を生成する。 脂質過酸化は、四塩化炭素の腹腔内注射によって誘導した。] [0127] 下記の表3に示すように、血清MDAレベルは、脂質過酸化を誘導したラット(陽性対照群)において、対照群のラットと比較してより高かった。例1で得られた組成物で処置したラット(処置群)では、血清MDAのレベルが低下し、アブラヤシ葉抽出物の脂質過酸化阻害作用および抗酸化ストレス活性が示唆される。] [0128] (例12) アブラヤシ葉の抽出物の安全性 最大耐量(MTD)の決定 動物での研究により、アブラヤシ葉の抽出物を摂取することの安全性が証明された。例1で得られたアブラヤシ葉の抽出物を投与したSprague−Dawleyラットで行われた毒性学的研究により、該組成物は、Sprague−Dawleyラットにおけるアブラヤシ葉の抽出物2g/kg体重の経口用量でさえ、(いかなる死亡の発生もなく)安全であることが示された。] [0129] 以下のように最大耐量を決定した: 該組成物を、約150〜180gのラットの3匹ずつの群にそれぞれ、2g、5g、7g、9g、11g、13g、16g、19g、25g、30g、および35g/kg体重の用量で経口的に投与した。組成物は、単回経口用量をそれぞれの動物に投与する前に、精製水に溶解した。同数の対照群のラットに、精製水を経口的に投与した。 試験動物の観察は、個体ごとに、投与30分後と、最初の24時間は最初の4時間にとくに注意して周期的に、その後は1日毎にとくに注意して計14日間行った。観察には、苦悶、痙攣、尾部の締めつけに対する反応性、噛むこと、立毛、瞳孔サイズ、排便、摂食行動、死亡の発生等、肉眼的な行動変化および一般的な運動活性が含まれた。体重変化も記録した。主に観察されたのは、死亡の発生であった。] [0130] アブラヤシ葉の抽出物30g/kg体重では死亡も毒性も発生せず、したがって、最大耐量は30g/kg体重であった。] [0131] ヒトの通常推奨される日用量は、アブラヤシ葉の抽出物約0.03g/kg体重である。] [0132] ヒトの通常推奨される日用量をラットの最大耐量と比較すると、 である。 結論:例1で得られたアブラヤシ葉の抽出物の、ラットにおける最大耐量は、30g/kg体重であり、ヒトの推奨経口用量の1,000倍に相当する。これは、本発明の組成物の急性毒性は極めて低く、ヒトでの経口摂取に極めて安全であることを示している。] [0133] (例13) 軟ゼラチンカプセル剤の製造方法 以下の材料を混合して、均質の油性懸濁液にした。 軟ゼラチンカプセル剤配合: その後、得られた油性懸濁液の形態の混合物を軟ゼラチンカプセル剤中に充填する。] [0134] (例14) 錠剤の製造方法 以下の配合の錠剤を下記のように調製した。 錠剤を調製するために直接圧縮法を用いた。全ての材料を均質に混合し、得られた混合物を錠剤成形機中で丸型錠剤(700mg/錠剤)に圧縮した。 錠剤配合:] [0135] (例15) 硬ゼラチンカプセル剤の製造方法 当業者に知られている標準的な方法により、以下の配合の組成物を硬カプセル剤中に調製した。 以下の材料を混合して、均質の粉末混合物にした。次いで、得られた混合物を、サイズ#1の硬ゼラチンカプセル剤中に充填した。 硬ゼラチンカプセル剤配合:] [0136] (例16) 経口懸濁剤 以下の組成の液体経口懸濁剤を、以下のように調製した: 次いで、本発明のアブラヤシ葉抽出粉末を琥珀色ガラス瓶中に充填した。 液体経口懸濁剤配合:]
权利要求:
請求項1 アブラヤシ葉からの抽出物を含む組成物であって、前記抽出物が(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むことを特徴とする組成物。 請求項2 アブラヤシ葉がギニアアブラヤシ(Elaeisguineensis)およびアメリカアブラヤシ(Elaeisoleifera)からなるアブラヤシ属植物から選択される、請求項1に記載の組成物。 請求項3 (−)−カテキンガレートが0.1重量%〜95重量%存在する、請求項1または2に記載の組成物。 請求項4 フェルラ酸が0.1重量%〜95重量%存在する、請求項1または2に記載の組成物。 請求項5 フェノール酸が没食子酸である、請求項1または2に記載の組成物。 請求項6 フェノール酸が0.1重量%〜95重量%の含有量で存在する、請求項1、2および5のいずれか一項に記載の組成物。 請求項7 (−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むアブラヤシ葉の抽出物を作製する方法であって、以下を含む方法:a)乾燥または生のアブラヤシ葉からハーブ液を抽出するために、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくはこれら前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒と混合し、25℃〜95℃の範囲の温度で0.5〜96時間加熱すること、b)(a)で得られたハーブ抽出液を濾過すること、c)(b)で得られた濾過ハーブ抽出液を、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸が存在する画分を選択的に吸着する、カラム吸着媒体または他の任意の吸着媒体であってよい吸着クロマトグラフィー媒体と接触させること、d)(c)で得られた前記画分を、水、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、もしくは前記溶媒の混合物、または他の任意の極性溶媒を用いて、吸着クロマトグラフィー媒体から溶出すること、e)(d)で得られた濃縮ハーブ抽出液を、噴霧乾燥機、真空オーブン、通常のオーブン、マイクロ波オーブン、または凍結乾燥機を使用して乾燥させることを含む上記方法。 請求項8 請求項7に記載の方法によって調製される、(−)−カテキンガレート、フェルラ酸、ならびに没食子酸およびプロトカテク酸等のフェノール酸を含むアブラヤシ葉の抽出物。 請求項9 抽出物がギニアアブラヤシ(Elaeisguineensis)の葉由来である、請求項7に記載の方法。 請求項10 溶媒が、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、メチルアルコール、クロロホルム、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載の方法。 請求項11 分離媒体がポリマークロマトグラフィーカラムを含む、請求項7に記載の方法。 請求項12 分離媒体が合成ポリマー樹脂を含む、請求項7に記載の方法。 請求項13 ポリマー樹脂がポリスチレンである、請求項7に記載の方法。 請求項14 乾燥ステップが噴霧乾燥を含む、請求項7に記載の方法。 請求項15 溶出剤が、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、メチルアルコール、クロロホルム、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項7に記載の方法。 請求項16 茶、錠剤、コート錠、舐剤、咀嚼錠、カプセル剤、軟ゲルカプセル剤、顆粒、コート粒、散剤、液剤、シロップ剤、乳剤、および懸濁剤の形態である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の治療用組成物。 請求項17 有効量の請求項1から6までのいずれか一項に記載の組成物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。 請求項18 薬学的に許容できる担体が、安定剤、担体、増量剤、および他の適切な物質であってよい、請求項17に記載の医薬組成物。 請求項19 抽出物が1mg〜800mg存在する、請求項1から6までおよび16から18までのいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項20 抽出物が好ましくは300mg〜500mg存在する、請求項1から6までおよび16から18までのいずれか一項に記載の医薬組成物。 請求項21 哺乳動物および家禽において酸化ストレスを低減または予防するための、請求項1から6までおよび16から20までに記載の組成物の使用であって、当該処置を必要とする対象に有効量の組成物を投与することを含む使用。 請求項22 哺乳動物がヒトである、請求項1から6までおよび16から20までに記載の組成物の使用。 請求項23 哺乳動物が、ウシ、バッファロー、ヤギ、ヒツジ、または他の任意の哺乳動物である、請求項1から6までおよび16から20までに記載の組成物の使用。 請求項24 家禽が、ガチョウ、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ハト、または他の任意の家禽である、請求項1から6までおよび16から20までに記載の組成物の使用。
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